今週の主要経済指標と
政治スケジュ
ール
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。国名等は7ページの脚注をご参照ください。 出所)Bloomberg等、各種資料より当社経済調査室作成
F
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投 資 環 境 ウィ
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経
済
調
査
室
月 火 水 木 金
12 13 14 15 16
(米)2019財政年度予算教書公表 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁講演 (日)10-12月期実質GDP(1次速報、前期比年率) (米)1月生産者物価(最終需要、前月比) (米)1月住宅着工・許可件数(着工、年率)
7-9月期:+2.5% 12月:▲0.1%、1月:(予)+0.4% 12月:119.2万件、1月:(予)123.5万件 (英)1月消費者物価(前年比) 10-12月期:(予)+1.0% (米)1月鉱工業生産(前月比) (米)1月輸出入物価(輸入、前月比)
12月:+3.0%、1月:(予)+2.9% (米)1月小売売上高(前月比) 12月:+0.9%、1月:(予)+0.2% 12月:+0.1%、1月:(予)+0.6%
12月:+0.4%、1月:(予)+0.2% (米)2月全米住宅建築業協会(NAHB)住宅市場指数 (米)2月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)
(米)1月消費者物価(前年比) 1月:72、2月:(予)72 1月:95.7、2月:(予)95.3
総合 12月:+2.1%、1月:(予)+1.9% (米)2月ニューヨーク連銀製造業景気指数
除く食品・エネルギー 1月:+17.7、2月:(予)+17.9 (他) 北朝鮮故金正日氏誕生日
12月:+1.8%、1月:(予)+1.7% (米)2月フィラデルフィア連銀景気指数
(米) ムニューシン財務長官、上院財務委員会証言 1月:+22.2、2月:(予)+21.5
(2019財政年度予算教書について)
(欧)10-12月期実質GDP(改定値、前期比) (中) 春節(旧正月)のため、休場(∼21日) 7-9月期:+0.7%
10-12月期:(予)+0.6%(速報値:+0.6%)
適温経済終焉か?動揺広がる国際金融市場にと
っ
て頼みの綱はパウエル
FRB
新議長
2月 の 金 融 市 場 は 株 安 ・ 金 利 上 昇 ・ 米 ド ル 高 (+円 高 ) の 流 れ で す 。2017年 か ら の 「景気良好もインフレ加速せず金融緩和修正は慎重に進み、金利上昇鈍く株高」 という理想的なリスク選好相場に変調の兆しも見られます。一見、2016年の米大 統領選後、い わゆるト ラン プラリー時の 米金利・米ド ル急騰にも似て いますが 、 ①米国でインフ レ期待以上 に長期金利が上昇 、②米国 株安、の2点で異なります 。
①は景気好調を反映した動きともいえますが、財政悪化懸念が加味されている 可能性があり、景気を冷やす悪性の金利上昇との見方も浮上しています。②は市 場のリスク許容度を左右する米国株の調整が長引けば、世界的なリスク回避(円 全面高)を誘発しかねません。この悪循環を断ち切るべく、政策当局の冷静な対 応が望まれますが、トランプ大統領が常にトランプ大統領である以上、パウエル
FRB(連邦準備理事会)新議長の手腕に頼らざるを得ない環境が続くとみます。
◆ 日本 :14日の実 質GDP(2017年10-12月 期、1次速報) は前期比年率+1.0%前 後 が予 想さ れま す。 同+2%台 とな った 前2四 半期 に比 べ 減速 とな りま すが 、個 人 消 費(台風など悪天候で落ち込んだ反動も含む)や設備投資、輸出と内外需バラン スの取れた回復を示す見込みです。ただし目先は、物価上昇(直近12月の消費者 物価総合は前年比+1.0%まで上昇)による個人消費への影響がやや懸念されます。
◆ 米 国 :株式市場が金利上 昇を嫌気する 局面に移 るな か、14日の小売 売上高(1 月)、15日の鉱工業生産(1月)、ニューヨーク・フィラデルフィア両連銀製造業 景気 指数(2月) などの景気指標が、金 利上昇下 でも 安定を保ってい るか注目 で す 。 他 方 、 株 価 と 連 動 性 の 高 い16日 の ミ シ ガ ン 大 学 消 費 者 信 頼 感 指 数 (2月 速 報)の下振れリスクには要注意です。また、14日の消費者物価、15日の生産者物 価( ともに1月) が予想比上振れとなれば金 利上昇圧 力が強まる懸念があ ります 。
◆ ユ ー ロ 圏 : 先 週7日 、 ド イ ツ で メ ル ケ ル 首 相 所 属 の キ リ ス ト 教 民 主 ・ 社 会 同 盟 (CDU/CSU) と社 会民 主 党(SPD) の連 立 協議 が 合 意。SPDの 党員 投 票(3月 に 結果判明か)の承認後に正式成立となりますが、SPDが支持率を落とすなか反対 票が増える懸 念もあり ます 。同首相は第1党 でも過半 数を持たない少 数与党政 権 樹立に否定的なため、連立協議決裂なら再選挙となり市場の動揺を誘うとみます。
直近1週間の株式・
長期金利・
為替・
原油価格
出所)Bloomberg
出所)Bloomberg
出所)Bloomberg 注)使用しているデータは引値、値表示はザラバベースによる。 出所)Bloomberg
金融市場の動向
注)先進国株はMSCI WORLD、新興国株はMSCI EM。 騰落幅と騰落率は1週間前(先々週末)比。
使用しているデータの値は、引値ベースによる。値表示は小数点以下切捨て。商品先物価格は期近物。
2月12日欄の日本株・日本10年国債利回りの値は2月9日時点。 注)使用しているデータの値は、引値ベースによる。値表示は小数点以下切捨て。
日経平均株価の直近値は2018年2月9日時点。
注)使用しているデータの値は、引値ベースによる。 日本の10年国債利回りの直近値は2018年2月9日時点。
【
長期金利】
日本・
米国・
ド
イ
ツの10年国債利回り
【
株式】 日経平均株価・
NY ダウ・
ド
イ
ツDAX
®【
為替相場】 円・
米ド
ル・
ユーロ相場
4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000 22,000 24,000 26,000 28,000 30,000
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 (年)
NYダウ(米ドル)
DAX®(ポイント) 日経平均株価(円)
2018年2月12日
21,383
24,601
12,283
-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 (年)
米国
ドイツ
日本
(%)
0.070
2.859
0.757 2018年2月12日
30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160
1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 (年)
ユーロ円(右軸)
ユーロドル(左軸)
ドル円(右軸)
(米ドル/ユーロ) (円/米ドル、ユーロ)
108.66
1.2292 133.56 2018年2月12日
ユーロ高 米ドル安
ユーロ安 米ドル高
ユーロ高 米ドル高 円安
ユーロ安 米ドル安 円高
日 経 平 均 株 価(円 )
TOPIX NYダウ (米 ドル )
S&P500 ナ ス タ ゙ッ ク 指 数
ス トッ ク ス ヨ ー ロ ッ ハ ゚600
ドイツ DAX®
先 進 国 (現 地 通 貨 )
新 興 国 (現 地 通 貨 )
騰 落 幅 -1,891.91 -132.23 -919.69 -106.13 -258.98 -15.14 -502.39 -84.25 -4,134.08
騰 落 率 ▲8.13% ▲7.09% ▲3.60% ▲3.84% ▲3.58% ▲3.90% ▲3.93% ▲5.21% ▲6.45%
日 本 米 国 ドイツ 米 ドル ユーロ 豪 ドル フ ゙ラ シ ゙ル レ ア ル イ ン ドル ヒ ゚ー
騰 落 幅 -0.015 +0.017 -0.010 -1.51 -3.69 -1.89 -1.31 -0.03 -6.16
騰 落 率 --- --- --- ▲1.37% ▲2.69% ▲2.16% ▲3.84% ▲1.72% ▲9.41%
24,601.27 2,656.00 372.93 1,534.16
長 期 金 利 :10年 国 債 利 回 り(%)
直 近
0.070 2.859 0.757 85.43 32.91 1.6900
12,282.77 1,731.97
直 近
2月12日
6,981.96 21,382.62
108.66 133.56
2月12日
59.29
米 国 株 欧 州 株
日 本 株 総 合 株 (M SCI)
為 替 相 場 (対 円 )
WTI原 油
102 104 106 108 110 112 114 116 118 120 122
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
30 35 40 45 50 55 60 65 70
(年)
景気ウォッチャー調査
先行き判断DI(左軸)
景気動向指数 一致CI(右軸)
(2010年=100)
【
図1
】
経済成長率は堅調、
景気動向指数の一致C Iは大幅上昇
【
図2
】
予想E P S は上方修正、
P E R14倍割れで割安感強まる
日本
予想E PS の上昇と
PE R の低下で、
株価の割安感強まる
昨年10-12月期の企業決算も好調です。先週末時点で日経平均採用企業の8割強が 決 算 を 発 表 、 う ち6割 強 がEPS( 一 株 当 た り 利 益 ) の 事 前 予 想 を 上 回 っ て お り (Bloomberg調査)、日本経済新聞によると予想EPSは1,635円(前年比+21.5%)と 年 初 の1,520円 ( 同+11.8%) か ら 上 昇 し て い ま す ( 図2左 ) 。 先 週 の 株 価 下 落 に よって予想PERは約5ヵ月ぶりに14倍を下回っており、割安感が強まっています。 予 想PERの 平 均 (2015年1月 以降 ) は15.1倍 で ある た め 、PERは 今後 上 昇 の 余地 が ありま す。 株価 はPER× EPSで示さ れる ため 、予 想EPSが今後 も上 方修 正さ れPER が平均水準に回帰すれば日経平均株価は2万4千円台に戻ることが想定されます。
先 週 末 時 点 で 決 算 発 表 済 み の 日 経 平 均 対 象 企 業 は 、 昨 年10-12月 期 の 事 前 予 想
EPSに対し+51%の上 方修 正、前 年同 期比 は+56%の 増益と なっ てい ます( 図2右)。 業種別に みる と通信 サー ビス、消 費財 、テク ノロ ジー、石 油・ガ スや素 材 の収益 が好調であり、今年度予想EPSはさらなる上方修正も予想されます。(向吉) 日本 景気動向指数と景気ウオッチャー調査
日本 実質GDPと鉱工業生産
注)直近値は実質GDPが2017年7-9月期(実績)、鉱工業 生産が同年10-12月期。
出所)内閣府、経済産業省より当社経済調査室作成
注)直近値は景気動向指数が2017年12月、景気ウ オッチャー調査が2018年1月。
出所)内閣府より当社経済調査室作成
先週は世界的なリスク回避の流れを受け株価は大幅調整、日経平均株価は5-6日 の2日間で1,664円も下落、その後落ち着きを取り戻すも9日は再び大きく下落し、 週末比では3週連続の下落となりました。ボラティリテイ・インデックスが急上昇 し株価の不安定さが残っているため、今週も株価変動は大きくなりそうです。
一方 で、好 調な 景気 指 標は株 価反転 のき っかけ になり得 ると みてい ます 。14日 の昨年10-12月期実質GDP1次速報は、前期比年率+1.0%程度の伸びが予想されます (図1左)。堅調な消費に加え設備投資の拡大が見込まれます。また、2016年1-3月 期以降8四半期連続でプラス成長となり、景気の長期拡大が示されるでしょう。昨 年12月の景気動向指数は一致CIが大きく上昇し景気の好調さが示されました(図1 右)。同指数は1985年1月の統計開始以来の高水準であり、10-12月期の景気の強さ を映している と言えま す。 他方、景気ウ オッチャ ー調 査の先行き判 断DIが 頭打 ち となっている点は、今後の回復持続性をみる上で注意が必要と言えます。
注)直近値は2018年2月9日。予想EPSは2018年度予想(Bloomberg 調査を反映)を2018年度末にプロット。上下限は1倍の標準偏差
(2014年以降)。出所)Bloombergより当社経済調査室作成
日経平均 予想PERと予想EPS
注)2018年2月9日時点。業種分類、予想との乖離 率はBloombergによる。
出所)Bloombergより当社経済調査室作成
日経平均 2017年10-12月期決算状況
【EPS(一株当たり利益)】
12 14 16 18 20 22 24 26 400 500 600 700 800 900 1,000 1,100 1,200 1,300 1,400 1,500 1,600 1,700 1,800 1,900
2014 2015 2016 2017 2018 2019
(年) (倍)
予想PER(右軸)
予想EPS(左軸)
(円)
2018年2月9日 1,635
(+21.5%)
13.08
上限 (16.1)
下限 (14.1)
平均 (15.1)
発表済 /合計 (社)
予想との 乖離率
(%) 前年 同期比
(%)
全銘柄 190/ 225 51.4 56.1 石油・ガス 2/ 3 146.4 67.0
素材 25/ 29 22.7 65.4
資本財 56/ 64 18.4 20.6 消費財 36/ 43 74.9 109.2
ヘルスケア 10/ 11 48.7 22.1 消費者サービス 20/ 24 21.1 12.4
通信サービス 4/ 4 111.7 153.7
公益 5/ 5 105.0 ▲ 65.1 金融 18/ 27 29.8 11.7
テクノロジー 14/ 15 6.2 67.5
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12
2010 2012 2014 2016 2018
(年) (%)
実質GDP
(前期比年率、左軸)
鉱工業生産
(前期比、右軸)
(%)
0 2 4 6 8 10 12
15.0 17.5 20.0 22.5 25.0 27.5 30.0
1995 2000 2005 2010 2015
貯蓄率 (右軸) 消費者信用残高/
名目可処分所得(左軸)
←景気後退期
(%) (%)
(年) 0.0
0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6
2002 2005 2008 2011 2014 2017 2020
(財政年度)
(予想)
(兆米ドル)
CBO(議会予算局) 見通し(2018/ 1)
今回予算合意 に伴う 赤字増加見通し
(CRFB予想)
4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 11,000 12,000 13,000 14,000
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
(億米ドル)
(財政年度) 2011年予算管理法に基づく強制歳出上限 過去引上げ分
今回予算合意(2018/ 2/ 9成立) 引上げ分
-60 -40 -20 0 20 40 60 80 100 120
-50 -25 0 25 50 75 100
2002 2005 2008 2011 2014 2017( 年)
(指数) (1966年=100)
フィラデルフィア連銀 製造業景気指数
(左軸)
ニューヨーク連銀
製造業景気指数
(左軸) ミシガン大学消費者信頼感
(右軸)
注)左図の直近値は2017年12月。右図の直近値は2018年1月。 注)財政年度: 前年10月∼ 当該年9月。
CRFB: Committee for a Responsible Federal Budget。
米国 連邦歳出上限
【
図1】
拡大する財政赤字見通し
【
図2
】金融市場が動揺する中、
景況感の変化の有無に注視
米国
金融政策不透明感や財政悪化懸念は拭えず、
金利動向を睨んだ神経質な展開が継続か
1月 雇 用 統 計 に て 予 想 を 上 回 る 賃 金 上 昇 の 加 速 が 示 さ れ た こ と を き っ か け に 、
FRB(連 邦 準備 理 事 会) の 金融 引 締 め姿 勢 が積 極 化 する と の 警戒 か ら、 米 国 株式 市場は下落基調に転じ、先週初には主要3株価指数そろっての急落となりました。 また 、FRBがバ ラ ン スシ ー ト縮 小 策 を進 め る中 、 ト ラン プ 政 権下 で の財 政 赤 字拡 大に伴う米国債需給悪化への懸念も浮上。長期金利の一段の上昇を促し、8日には 株価が再 度大幅 下落す る 等、米金融 市場で は値動き の激しい展 開が続 いていま す。
9日には3月23日までの暫定予算を盛り込んだ期間2年の予算合意が成立。同合意 では、2018・19財政 年度 予算を 巡っ て、2011年予 算管理 法が 設け る歳 出上 限を計 約3,000億ドル引上げ(図1左)、連邦債務上限の適用を1年間停止とし、更なる連 邦債務の膨張や財政赤字の拡大が予想されます(図1右)。加えて、政権は2019財 政年度予 算教 書にて 、依 然メキシ コ国 境の壁 建設 費用や大 規模な インフ ラ 投資支 出を要求 。財政 悪化懸 念 に伴う長期 金利の 上昇圧力 は当面くす ぶり続 けそうで す。
先週、堅調な景気を支えに従来通り年3回程度の利上げ見通しを堅持するFRB高 官の 発 言 が相 次 ぐ も、28日に パ ウ エル 新FRB議 長 初 の議 会 証 言を 控 え、 足 元 の株 価調整の 一因 とされ る金 融政策先 行き への不 透明 感は根強 く残っ ていま す 。こう した中、14日には1月消費者物価が公表されます。期待インフレの上昇とは対照的 に僅かな 上昇率 鈍化が 見 込まれてお り、市 場の安心 感につなが るか注 目されま す。
一方、 堅調 な景気 への 株価急落 の影 響も意 識さ れていま す。貯 蓄率が 大 きく低 下する中、7日公表の12月消費者信用残高は10-12月に渡って高い伸びを示し、株高 の資産効 果や 先行き への 楽観が、 景気 を牽引 する 消費の好 調さを もたら し たこと を示唆( 図2左)。 金融市 場が動揺す る下、16日の2月ミシガン 大学消 費者信頼 感 が良好さを保てるか関心が集まります。また、15日には2月地区連銀製造業景気指 数も公表 。先 月に続 けて の低下と なれ ば、ピ ーク アウト感 の意識 から悲 観 色が強 まる可能性もあり、今週はマインド動向(図2右)も注視されそうです。(吉永)
出所)米商務省、FRB、ニューヨーク連銀、フィラデルフィア連銀、ミシガン大学より当社経済調査室作成
米国 地区連銀製造業景気指数と 消費者信頼感
米国 貯蓄率と
消費者信用残高対可処分所得比
出所)米議会、CBO、CRFBより当社経済調査室作成
欧州
米パウエル新F R B議長の金融政策運営方針がユーロ圏金利にと
り
重要な鍵に
■ 一方で将来の短期金利は均衡金利の上方修正を求めている
一方、米政策金利の終着点といえる長期の均衡金利について、米FOMCは昨年
12月には2.75%とし ました 。これ に対し 将来 の短 期 金利の 見立て は2.98%、市 場 は長期均衡金利の引き上げを予測しています(図1右)。経験的に将来の短期金 利の 予 測力 は 高く な いも のの 、 こう し た米 長 期金 利の 上 昇と 長 期均 衡 金利 に対 して2つの将来の短期金利が示す非対称性は、金融政策の予見性を困難にしてい ます。今月28日に議会証言を行うパウエル新FRB議長の金融政策運営方針がこの 非対 称 性を 解 消さ せ る契 機に な ると み てい ま す。 米ト ラ ンプ 大 統領 の 意を 汲ん だと推察さ れる新FRB議長 は、1月のFOMC声 明文で 示した一 段 と 漸進的な金融 緩和 解除 を金 融政 策運 営 方針と して 強調 、米10年 国債利 回り は3.0%を目 前 に低 下に転じると予想、独10年国債利回りもこれに追随し低下するとみています。
今週14日にはユーロ圏昨年10-12月期実質GDPが発表されます(図2)。市場予 想は前期比+0.6%、堅調な景気加速を示し独10年国債利回りを短期的に押し上げ ましょう。しかし、その勢いも新FRB議長が止めるとみています。(徳岡) ■ 先週の欧州主要国株式市場の騰落率は米株を下回る
欧州ス トッ クス600株価 指数の先 週来 騰落率 (5∼12日)は▲ 3.90%と、NYダ ウ同 ▲ 3.60%を下回りました。今回の相場下落は、一時2013年のテーパータントラム(当 時 の バ ー ナ ン キ 米FRB( 連 邦 準 備 理 事 会 ) 議 長 が 量 的 金 融 緩 和 の 終 了 を 示 唆 し 株 安・金 利高) や2015年の中 国人民 元の切 り下 げ時の 株式相場 下落 局面を 凌ぐ 勢いで し た 。 今 次 局 面 が 反 転 す る 鍵 は や は り 米 金 融 政 策 と 長 期 金 利 の 行 方 に あ り そ う で す。その鍵の持ち主はパウエル新FRB議長をおいて他にはいないとみています。 ■ 将来の金利が示唆する不可解な動き
独10年国債利回りは年初来約0.3%bpsも上昇、米長期金利の上昇に追随しました。 昨年、2018年は3回利上げとした米FOMC(連邦公開市場委員会)の見立てに市場は 懐疑的です 。現在 の金利か ら推定され る将来 の短期金 利(1年後1ヵ月金利 )が 示唆 する今年の利上げ回数は足元2.4回、従来みられた米長期金利との高い相関は足元崩 れています(図1左)。米長期金利は上昇しすぎか、或いは(将来の短期金利の推定 に使われる)現在の短期金利(形成)が低すぎる(歪んでいる)といえそうです。
注)1年後 の利上 げ予 想はGCレ ポ金利 (スポ ット )と1年後1ヵ 月金利 (フ ォ ワード )の差 。両 図の 直近値 は2018 年2月12日。米FOMC長期政策金利の直近値は2017年12月FOMCによる。出所)Bloombergより当社経済調査室作成
【
図2
】 ユーロ圏実質GDP は景気加速を裏付け
ユーロ圏実質GDP(需要項目別寄与度、前期比年率換算) 米10年国債利回りと
1年後の利上げ予想(1年後の1ヵ月金利)
【
図1
】 (
米国)
将来の短期金利は目先の利上げに慎重なまま
注)2017年7-9月期の実質GDP(前期比)は+0.6%。
出所)欧州統計局より当社経済調査室作成
米FOM C長期政策金利(均衡金利)と
米フォワードレート(将来の短期金利)
-0.75 -0.50 -0.25 0.00 0.25 0.50 0.75 1.00 1.25
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
(右軸)
1年後の利上げ予想
※1年後の1ヵ月金利
(左軸)
米10年国債利回り
1回
2回
3回
4回
(%) (%)
(年)
2018年利上げ 回数
FOM C予想
0.61 2.86
1.00 1.25 1.50 1.75 2.00 2.25 2.50 2.75 3.00 3.25 3.50 3.75 4.00 4.25
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
(%)
(年)
米FOM C
長期政策金利(均衡金利)
米フォワードレート
(将来の短期金利)
※30年後の1ヵ月金利
2.98 2.75
-14 -12 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 (年)
(%)
純輸出
個人消費
在庫投資 政府支出
固定資本投資 実質GDP
2017年7-9月期
【
図1
】
1月に高値をつけた後に豪ド
ルは下落、
金利差は縮小
【
図2
】
イ
ンフ
レ率は予想を下回る、
中銀予想は大きな変更無し
オースト
ラリ
ア
米豪の10年債の利回り
格差は一時マイ
ナス、
イ
ンフレ率も
やや軟調
豪ドルは対米ドルで、2018年1月26日に2015年以来となる高値をつけた後は大き く下落し、 2月12日時点では年初来の騰落率が+0.7%の小幅プラス、1月末比では ▲ 2.4%と軟調に推移しています(図1左)。主要輸出品である鉄鉱石価格が堅調に 推移し ている こと はプ ラ スに寄 与して いま すが、 米豪の10年金 利差が 一時 的では あるものの2000年以来初めて逆転したことが嫌気されたとみています(図1右)。
鉄鉱 石価 格は 、最 大の 輸入国 であ る中 国で 鉄鋼 生産が2017年11月15日より 制限 されて いるも のの 、上 昇 してい ます。 生産 制限は 環境対策 が必 要な北 部に 限られ ている ため、 対象 外と な った南 部での 鉄鉱 石需要 が価格を 支え ている とみ られて います。また2月15日から21日まで、中国は春節休暇となるため、足元では休暇前 の駆け 込み需 要が 価格 を 押し上 げてい ると の見方 もあり、 潮目 の転換 点と なる可 能性もあり注意が必要です。3月15日まで生産制限は続くこと、豪政府の鉄鉱石価 格は引き続き慎重なこと(2018年52.6米ドル、2019年48.8米ドル)もあり注意です。
2017年10-12月の消費者物価は、前年比で総 合+1.9%(予想は同+2.0%)、 コ ア
+1.8%(同+1.8%)と、やや軟調な結果となりました(図2左)。その後、米国で 賃金が大きく改善した堅調 な雇用統計が発表されると 米10年債利回りは2.84%ま で大幅上昇し、豪10年債利回りの2.83%を上回りました。2年債の利回り差は2017 年11月21日以降に逆転する時もありましたが、10年債では2000年以来の出来事と な り ま し た 。 現 時 点 で は 、10年 債 の 利 回 り が 逆 転 し た の は2月2日 の み で す が 、
2017年 末 に0.22%あ っ た 利 回 り 差 は 足 元 で0.02%ま で 縮 小 し て い ま す 。 予 想 を 下 回った消費者物価などを受け、 年末時点では利上げ予想が優勢であった2018年10 月の利上げ予想も据え置き予想が高まり、年内の利上げ確率も低下しています。
2017年12月 の 雇 用 統 計 は 雇 用 者 数 増 加 が 過 去 最 長 と な る15ヵ 月 連 続 の 増 加 と なっており、15日に発表さ れる1月の雇用統計に注目 です。この堅調な雇 用統計 を受け、21日の2017年10-12月の賃金指数で質の改善にも注目です。(永峯)
出所)オーストラリア中銀、オーストラリア統計局より当社経済調査室作成 注)コア物価は変動の大きい品目を除いた値。GDPは年平均、失業率とインフレ率は年末の値
オーストラリア 中銀の経済見通し (単位%)
オーストラリア インフレ率と政策金利 豪ドルの推移
出所)Bloombergより当社経済調査室作成
注)直近値は左右図ともに2月12日。
米豪の10年債の利回り格差
-1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1997 2000 2003 2006 2009 2012 2015 2018 (%)
(年)
豪10年債利回り
米10年債利回り
利回り
格差
(豪−米)
70 75 80 85 90 95
0.65 0.70 0.75 0.80 0.85 0.90
2016/ 12 2017/ 6 2017/ 12
(年/月)
↑ 豪ドル高
↓米ドル高↓円高
対米ドル(右軸)
対円(左軸)
(円/ 豪ドル) (米ドル/ 豪ドル)
0 1 2 3 4 5 6 7 8
2004 2007 2010 2013 2016
(%)
(年)
インフレ目標 +2∼3%
消費者物価(前年比)
2017年10-12月期 総合+1.9%
コア +1.8%
政策金利
2016年8月2日より1.5%
2 0 1 7年 2 0 1 8年 2 0 1 9年
最新(2月) 2 .2 5 3 .0 0 3 .2 5
前回(11月) 2 .2 5 3 .0 0 3 .2 5
最新(2月) 5 .5 0 5 .2 5 5 .2 5
前回(11月) 5 .5 0 5 .5 0 5 .2 5
最新(2月) 2 .0 0 2 .2 5 2 .2 5
前回(11月) 2 .0 0 2 .2 5 2 .2 5
最新(2月) 1 .7 5 1 .7 5 2 .0 0
前回(11月) 1 .7 5 1 .7 5 2 .0 0 実質GDP
成長率
インフレ率 (総合)
出所)Bloomberg等、各種資料より当社経済調査室作成
今週の主要経済指標と
政治スケジュ
ール
注) (米)は米国、(日)は日本、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(加)はカナダ、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、(印)はインド、(伯)はブラジルをそれぞれ指します。
赤字は日本、青字は米国、緑字はユーロ圏とEU全体、黒字はその他のイベントを表します。経済指標と政治スケジュール、企業決算の日程及び内容は変更される可能性があります。
月 火 水 木 金
3 6 7 8 9
(米) イエレンFRB議長退任 (米)12月貿易収支(通関ベース) (日)12月現金給与総額(前年比) (日)12月経常収支(季調値) (日)12月第3次産業活動指数(前月比)
パウエル新FRB議長就任 11月:▲504億ドル、12月:▲531億ドル 11月:+0.9%、12月:+0.7% 11月:+1兆7,005億円、12月:+1兆4,796億円 11月:+1.1%、12月:▲0.2%
(米) ブラード・セントルイス連銀総裁講演 (日)12月景気動向指数(速報、先行CI) (日)1月景気ウォッチャー調査 (日)1月マネーストック(M 2、前年比)
4 (米) セ ゙ネ ラ ル ・モ ー タ ー ス ゙ 2017年10-12月期決算発表 11月:108.2、12月:107.9 現状 12月:53.9、1月:49.9 12月:+3.6%、1月:+3.4%
(他) コスタリカ大統領・議会選挙 (豪)12月小売売上高(前月比) (米)12月消費者信用残高(前月差) 先行き 12月:52.7、1月:52.4 (米)12月卸売売上・在庫(在庫、前月比) 11月:+1.3%、12月:▲0.5% 11月:+310億ドル、12月:+184億ドル (日)1月銀行貸出(前年比) 11月:+0.2%、12月:+0.4%
(豪)12月貿易収支 (米) カプラン・ダラス連銀総裁講演 12月:+2.5%、1月:+2.4 (仏)12月鉱工業生産(前月比)
5 11月:+0.4億豪ドル、12月:▲1.4億豪ドル (米) ダドリー・ニューヨーク連銀総裁講演 (米) 暫定予算期限 11月:▲0.3%、12月:+0.5%
(米) パウエル新FRB議長就任宣誓式 (豪) 金融政策決定会合 (米) エバンス・シカゴ連銀総裁講演 (英) イングランド銀行 金融政策発表 (伊)12月鉱工業生産(前月比)
(米)1月米供給管理協会(ISM ) 非製造業景気指数 キャッシュレート:1.5%⇒1.5% (米) ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演 政策金利:0.5%⇒0.5% 11月:+0.2%、12月:+1.6%
12月:56.0、1月:59.9 (伯) 金融政策委員会(COPOM、∼7日) (米) ウ ォル ト・テ ゙ィス ゙ニ ー 2017年10-12月期決算発表 資産買入れ規模:4,350億£⇒4,350億£ (豪) 四半期金融政策報告 SELIC金利誘導目標:7.0%⇒6.75% (独)12月鉱工業生産(前月比) (中)1月貿易統計(米ドルベース、前年比) (中)1月消費者物価(前年比) (中)1月財新サービス業PM I (印) 金融政策決定 11月:+3.1%、12月:▲0.6% 輸出 12月:+10.9%、1月:+11.1% 12月:+1.8%、1月:+1.5% 12月:53.9、1月:54.7 レポレート:6.0%⇒6.0% 輸入 12月:+4.5%、1月:+36.9% (中)1月生産者物価(前年比) (他) ニュージーランド 金融政策決定会合 (伯)1月消費者物価(IPCA、前年比) 12月:+4.9%、1月:+4.3%
(他) インドネシア 2017年10-12月期実質GDP(前年比) キャッシュレート:1.75%⇒1.75% 12月:+2.95%、1月:+2.86% (伯)12月小売売上高(前年比)
7-9月期:+5.06% メキシコ金融政策決定会合 (他) ロシア金融政策決定会合 11月:+6.0%、12月:+3.3%
10-12月期:+5.19% オーバーナイト・レート:7.25%⇒7.5% 1週間物入札レポ金利:7.75%⇒7.5% (他) 韓国平昌冬季五輪開幕(∼25日)
12 13 14 15 16
(米)2019財政年度予算教書公表 (日)1月国内企業物価(前年比) (日)10-12月期実質GDP(1次速報、前期比年率) (日)12月製造工業稼働率指数(前月比) (米)1月住宅着工・許可件数(着工、年率)
(米)1月月次財政収支 12月:+3.0%、1月:+2.7% 7-9月期:+2.5% 11月:0.0%、12月:(予)NA 12月:119.2万件、1月:(予)123.5万件
12月:▲231億ドル、1月:+492億ドル (米) メスター・クリーブランド連銀総裁講演 10-12月期:(予)+1.0% (米)1月輸出入物価(輸入、前月比) (英)1月消費者物価(前年比) (米)12月企業売上・在庫(在庫、前月比) (米)1月生産者物価(最終需要、前月比) 12月:+0.1%、1月:(予)+0.6%
(印)12月鉱工業生産(前年比) 12月:+3.0%、1月:(予)+2.9% 11月:+0.4%、12月:(予)+0.3% 12月:▲0.1%、1月:(予)+0.4% (米)2月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)
11月:+8.8%、12月:+7.1% (英)1月生産者物価(前年比) (米)1月小売売上高(前月比) (米)1月鉱工業生産(前月比) 1月:95.7、2月:(予)95.3
(印)1月消費者物価(前年比) 12月:+3.3%、1月:(予)+3.0% 12月:+0.4%、1月:(予)+0.2% 12月:+0.9%、1月:(予)+0.2% (米) コカ・コーラ 2017年10-12月期決算発表
12月:+5.21%、1月:+5.07% (米)1月消費者物価(前年比) (米)2月全米住宅建築業協会(NAHB)住宅市場指数
(独)10-12月期実質GDP(速報値、前期比) 総合 12月:+2.1%、1月:(予)+1.9% 1月:72、2月:(予)72 (他) 北朝鮮故金正日氏誕生日 7-9月期:+0.8% 除く食品・エネルギー (米)2月ニューヨーク連銀製造業景気指数
10-12月期:(予)+0.6% 12月:+1.8%、1月:(予)+1.7% 1月:+17.7、2月:(予)+17.9
(伊)10-12月期実質GDP(速報値、前期比) (米) ムニューシン財務長官、上院財務委員会証言 (米)2月フィラデルフィア連銀景気指数 7-9月期:+0.4% (2019財政年度予算教書について) 1月:+22.2、2月:(予)+21.5 10-12月期:(予)+0.5% (欧)10-12月期実質GDP(改定値、前期比)
(豪)2月消費者信頼感指数 7-9月期:+0.7% (豪)1月失業率
1月:105.1、2月:(予)NA 10-12月期:(予)+0.6%(速報値:+0.6%) 12月:5.5%、1月:(予)5.4% (他) タイ金融政策決定委員会 (欧)12月鉱工業生産(前月比) (中) 春節(旧正月)のため、休場(∼21日)
翌日物レポ金利: 1.5%⇒(予)1.5% 11月:+1.0%、12月:(予)▲+0.1%
19 20 21 22 23
(日)1月貿易統計 (独)2月 ZEW景況感指数 (米)1月中古住宅販売件数 (独)2月 if o景況感指数 (日)1月企業向けサービス価格
(米)FOM C議事録(1月30・31日開催分) (英)10-12月期実質GDP(確報) (独)10-12月期実質GDP(確報)
先 週
今
週
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